溺愛ドクターは恋情を止められない
「危ない!」
清春君の声と同時に体が大きく傾き、先生の胸に飛び込んでしまった。
「すみま、せん」
ドクドクと速まっている先生の心臓の音が、ダイレクトに耳に届く。
「大丈夫か?」
「はい」
「やっぱり彼女だー」
慌てて離れると、清春君は私達に向かってピースして見せる。
「ち、違うよ」
不可抗力だったとはいえ、自分から彼の胸に飛び込んでしまった。
しかも、清春君の前で。
「お母さんには内緒にしといてあげるから」
清春君は、もう私達が恋人同士だと思い込んでいる。
「まったく」
高原先生は呆れたような声を出すけれど……。
「そういうことにしておいていい?」
「えっ?」
一瞬、聞き間違えたのかと思った。でも……。