溺愛ドクターは恋情を止められない
先生は私に視線を移し、申し訳なさそうな顔をしたけれど、私は頬が赤く染まっていないか心配だった。
「都は、なんて呼んでるの?」
「えっ? 私は……」
どうしよう。
先生はたしか、「奏多」という名前だけど……。
「奏多さん、かな?」
答えられないでいると、先生が代わりに答えてくれた。
どうしよう。
心臓がギュッとつかまれたようで、酸素がうまく吸えない。
「そんなこといいから、食うぞ。ほら、唐揚げうまそうだ」
先生はやっと話題をそらしてくれた。
ドキドキしながらも、三人で食べるお弁当はおいしくて、楽しいひと時だった。
清春君は「まだ遊ぶ」と言いながらも立ち上がらず、高原先生とじゃんけんをしている。
きっとまだ体力がないのだろう。