溺愛ドクターは恋情を止められない
麻酔を打った時だけチクリとしたけれど、あとはまったく痛みを感じない。
あっという間に縫合が終わり、レントゲンも終わった。
「んー、ちょっとヒビが入ってるかな。高原、ギプスシーネでいいから固定しておいて」
小谷先生は私のレントゲンを診て、そう診断した。
「整形だろ、お前」
「俺は行くところがあるの」
きっと、酒井先生のところだ。
「高原、ちょっと。あっ、松浦。あとは俺がなんとかしてやるから、お前はなにも考えずにぐっすり眠れ」
「ありがとうございます」
「じゃ」
小谷先生は私に手を挙げてみせると、奏多さんと一緒に出て行った。
また、心配をかけてしまった。
奏多さんを守りたいのに、迷惑ばかりかけてしまう。
少し自己嫌悪に陥りながら、ガーゼのあててある指を眺める。
私も、こうやって治療できるようになりたいと、漠然と考える。
それはきっと、近くで奏多さん達の奮闘する姿を見ているからだ。