溺愛ドクターは恋情を止められない
それでも、彼ならすぐに巻き返しそうな気もする。
「これ」
それから彼はポケットから鍵を取り出し、私に握らせた。
「今日は帰ってゆっくり休んで。だけど、今から都の家まで帰るのは遠すぎる。俺の部屋、使っていいから」
時計の針はもう二十三時を指そうとしていた。
「でも……」
「でもって、都はもうあのベッドで寝たことあるだろ」
「あっ……」
酔っ払ったときのことを言われて、耳まで熱くなるのを感じる。
「服はちゃんと畳みましょう」
「もう!」
クスクス笑う奏多さんを見て、やっと緊張が解けた。
「あっ、ナースが戻ってきた」
ナースコールで呼び出されていたナースが帰ってきて、恋人の時間は終わった。
結局、タクシーで彼の部屋に向かった。
幸い制服は置いてあるし、化粧ポーチも持っている。