溺愛ドクターは恋情を止められない
その様子を見送った高原先生が、また部屋に戻ろうとしたけれど……。
「そんなところでなにしてる?」
「えぇっ……」
隠れていたつもりだったのに、先生はスタスタと歩いてきて、ニッと笑う。
いつからバレてたの?
「上がる?」
「いえっ、ごめんなさい。帰ります」
これじゃあまるでストーカー。
慌てて走り出そうとすると、ギュッと手首をつかまれて驚いた。
「いいから、来い」
「わっ」
半ば引きずられるようにエレベーターに乗せられてしまった。
「いつからいたんだ?」
「えっと、ちょっと、前です」
恥ずかしくて顔を伏せる。
やっぱり来るべきじゃなかったと思ったけれど……。
「寒くなかったか?」
「えっ? ……はい」
心配、してくれたの?