【番外編追加♪】オ・ト・ナの、お仕事♪~甘いキスは蜜の味~【完結】
――ま、まさかね。
作った笑顔が、思わずヒクヒク引きつる。
トロトロトロ。
呆然と、
そのまま亀並み速度で車を走らせていると、『OUT』の看板の所から一台の車が『グイっ』と頭を出した。
と思ったら、そのまま私の方に曲がって出てきて、思わずギクリと身を強ばらせる。
県内ナンバーの白いセダン。
すれ違いざま見るともなしに見えてしまった、運転席には、妙にスッキリした風情のサラリーマンらしき中年男。
助手席には男性よりは大分年若い女性が、中年男に向かって、ニコニコ笑顔で何か楽しそうに話しかけている。
『昼真っから、お盛んですね。ウケケケケ♪』
出かかった黒悪魔茉莉を、すかさず平手でたたき落として、私は呆然と呟いた。
「……ここじゃ、ないよね?」
虚しい呟きは、車の天井を叩く雨音にかき消されてしまう。