私の世界が色づく話
プロローグ
誰かの声がする

私を呼ぶの。

優しい声で私の名前を。



「お母……さん?」

「どこ!?どこなの」

「お母さん!!!」




ハッと目を覚ました。
息ができない

「ハァ…ハァ…」


ふと窓の外を見ると
無色透明の水が降っている。


今日は雨だ


荒くなった息を静めて
時間を確認する。


AM.7;00

…学校に行かないと


私は着替えてご飯を食べて傘を持って

誰もいないこの部屋に向かって


「……いってきます」


目の前に広がるのは
黒の建物と灰色の空、白の花や木。

今日も私、青空 彩の見る世界はモノクロだ

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