空色canvas
10:消えた時間と別れの時



そして数日後 ―――


その日は来た。



いつものようにサヤの元へ向かう俺は少しだけ胸騒ぎがした。

モヤモヤとこれから何かが変わることを感じる。




………サヤ


キャンバスの前に立つサヤの後姿を眺めた。

じっとキャンバスを見つめたまま、俺が来たことにすら気付かない。


そんなサヤに声をかけることができなかった。

後ろからそっと見つめるだけ…



するとサヤはおもむろに筆を持ち、キャンバスに向かって描き始めた。

久しぶりに見るサヤが絵を描く姿。




< 219 / 258 >

この作品をシェア

pagetop