空色canvas



だけどそこに楽しさや暖かさを感じることはできず、ただ黒い世界が広がっていった。

この前は黒いキャンバスからほんの少しだけでも青い空を見ることができたのに、今はその面影すらないほどに真っ黒になっていた。



「………」



胸が痛い。

苦しいんだ…。



「……うっ……」


「………?」


「…ひっ……ひっく…」




サヤ…

…泣いてる?


肩が小刻みに震えだした。



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