空色canvas
3:曇り空と赤い旋律


次の日かろうじて雨は上がったけど、その空は曇り空だった。


彼女と最後に会った日から4日目。


俺はあの場所へと足を進めた。


雨は上がった。

だからもしかしたら今日は描いてるかもしれない。


確信なんてなかったけど、もしかしたら…と少しの期待を抱いて…。





「うわっ!」



降り続いた雨は土にしみ込んでいて、気をつけて歩いていても靴が土の中にぬかるむ。


こんな状態じゃいないかな…

そう思いながらも足を進めた。




2度彼女と会った場所。


だけどやっぱり予想通り、そこには彼女の姿もイーゼルも散らばった絵の具もなかった。



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