空色canvas




彼女の言葉に何だか切なくなった。

本当にそれが彼女が空の絵を描く理由のような気がしたから…。




「ねっ!だから城の中のお姫様でしょ?」



「…んー…。お姫様かぁ?」



「もう!素直にそうだねって言えばいいんだよ!」




そう言って彼女は頬を膨らませた。

初めて見る彼女の怒った姿…。

風船のように頬が丸くなる。



「ぷっ……ふ…ははははは!」



「笑うなんてひどーい!」



子どものようにポカポカと俺の胸を叩く姿が可愛かった。



< 69 / 258 >

この作品をシェア

pagetop