空色canvas
「……サヤ?」
大きな瞳からポロポロと涙を流すサヤの顔を覗き込んだ。
「…ハルは……この人のこと本当に愛してたんだね…」
「………」
「ハルの想いが伝わってくる。好きで好きで愛しい気持ちが伝わってくる…」
「………」
俺は何も言えなかった。
テーマは“愛”と告げられ、俺がスケッチブックに描いたのは一輪の薔薇。
菜央が俺の家に残していった香り。
菜央の香り…。
俺の愛の形……それは菜央だった。