空色canvas




「……ハル…?」



「…ん?」



「この絵…サヤにちょうだい?」



うつむいたままぎゅっとスケッチブックを握り締める。
そんなサヤに俺は驚きの眼差しを向けた。



「こんな絵が欲しいの?」



「うん…ダメ?」



見上げた大きな瞳が潤んでいる。


サヤ…?

その目は反則だよ…



「…気に入ったの」




そう言って優しく微笑むサヤの姿に…


ドキッ…

胸がギュッと掴まれる気がした。



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