死んでもずっと友達だよ
「ねぇ、翔子。

私たち、友だちだよね」




翔子は怯えながら、やっとの思いで、夏希の手を振り払った。




〈 逃げなくちゃ…… 〉




翔子は、ドキドキと狂ったように鳴っている胸の鼓動を感じながら思った。




〈 早く逃げないと、私も浩太みたいになってしまう……。

夏希、私たちはもう友だちじゃないの……。

夏希はもう死んだのよ! 〉




翔子は足元に置いてある靴をつっかけて、何も考える余裕もないまま、必死になって走り出した。
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