死んでもずっと友達だよ
「ねぇ、翔子……」




翔子の背後から、夏希のさみしげな声が聞こえてきた。




でも翔子は、その声に振り返ることなく、必死になって走り続け、夏希から離れていった。




〈 冗談じゃないわ! 〉




翔子は全力で走りながら思った。




〈 どうして私が、夏希に取り憑かれなくちゃならないの?

夏希は自殺したけど、私はまだ死にたくないの!

だから夏希、私には近づかないで! 〉




翔子は夏希に怯えながら、全力で家まで走った。




少しでも早く、夏希から遠ざかるように……。




もう二度と、夏希に会わないように……。
< 163 / 351 >

この作品をシェア

pagetop