死んでもずっと友達だよ
翔子は夏希の声を聞きたくなくて、両手で耳を押さえて、目を閉じた。




「翔子、私たちはもう一度、あの海に行きましょう。

あの夏の日の思い出を私たちは探しに行くの」




翔子は必死になって耳を塞いでいたが、夏希の声は、直接、翔子の頭の中に語りかけるかのように、ハッキリと翔子に聞こえていた。




「翔子は私と海に行ってくれるよね。

私たちは、友だちだから」




〈 私は海になんて、行きたくない。

でも、私は行かなくちゃ…… 〉




翔子は自分の気持ちを自分でコントロールできないことが、歯がゆかった。




〈 夏希と私は友だちだから……。

友だちが、私を誘っているから…… 〉
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