死んでもずっと友達だよ
〈 死ぬことって、ものすごく呆気ない……。

私の心臓が止まったとき、私の夢は消えてなくなる。

私の運命の結末は、こんなにもみじめなの?

そんなのって、おかしいよ…… 〉




私は意識を失っていくとき、最後までつながれていた和也の手を握る手に力を込めた。




〈 和也、未来って、本当にどうなるかわからないね。

こんな不幸な人生の終わりを私は想像もできなかった。

キラキラと輝いていたはずの私の未来が、闇の中に消えていく……。

どうして? 〉




「香澄が死んだら、私は香澄になれるかな?」




私は最後に夏希の言葉を耳にした。




「私は香澄になりたい。

香澄は私の憧れだから……。

私の夢って叶うかな?」




〈 夏希、それって、間違ってるよ……。

夏希はいつまでも夏希なの。

だから夏希は、私にはなれないの…… 〉




私はそんなことを最後に思い、そのまま意識を失った。
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