死んでもずっと友達だよ
〈 夏希……。

今日も来たのね。

でも、どうして夏希は私に会いにくるの?

何かを私に伝えたいの? 〉




「香澄は、世の中の不公平さに気づいたことがある?

不平等で、理不尽で、努力では変えられない境遇があることに気づいたことがある?」




私は夏希の怨念がこもったようなその声を聞くと、心臓がドキドキと大きな音を立て始め、その場で固まり、下を向いた。




「私はいつも思ってた。

世の中は、不公平で理不尽だって……。

だって同じクラスの高校生なのに、香澄と私は同じじゃないの。

香澄はキラキラと輝く宝石みたい。

だけど、私は……」




私は夏希の声を聞いているうちに、金縛りにあったみたいに動けなくなった。




私は背後から、焼けつくような夏希の嫉妬を感じていた。
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