(気まぐれっぽい)Queen
一歩、誰かが踏み出した。
萌花が“KING”の姫になり、一ヶ月が経とうとした。

萌花は、“KING”の皆に慣れてきたようで私達と過ごすことも少なくなった。それはそれで寂しいが、萌花が進んでいることはとても喜ばしいことだと思う。まあ、葵は部屋の隅でへの字を書くぐらい落ち込んでいたが。

萌花が言うには__

「ん?皆良い人だよ。何で暴走族なんてやっているんだろうって、思うぐらい!」

ならしい。“KING”の話をする萌花の姿はなんとも可愛らしい。幸せそうな笑顔で言っている萌花を見ているだけで、こっちがホカホカする。

「それじゃあ、行ってくるね」

「うん、行ってらっしゃい」

元気よく、教室を飛び出していった萌花。スーパースマイルで辺りの男子のハートをバッキュンするぐらいだ。…授業中だけど。

「やれやれ、“KING”は楽しいのかねぇ」
それがとても疑問だ。

だって、“KING”の奴らの目はあまりにも酷かった。そんな奴らが良い人だと?その確率は低すぎる。萌花が騙されている可能性がある。

他にも、不可解なことがあり過ぎる。萌花が姫になったことを公にしたから、萌花が他の族から狙われる可能性が高いはずだ。
なのに、護衛は0。かと言って、影で守ってくれているのかと思って探しても、気配を感じない。

何より、“KING”についての情報が少なすぎる。信用できないし、怪しすぎるんだ。今度、聞いてみるかなぁ。


「萌花に何も起きないといいんだけどな…」


萌花の幸せそうな笑顔を、もう奪わないで欲しい。
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