(気まぐれっぽい)Queen
ひとまず、用をたしてきた。そしたら桜が入口前に立っていた。

「あ、ミサちゃん。一応、探したんだからねぇ。ちゃんと言ってから、行ってよ」

ムゥと頬を膨らませながら、口を尖らして言う彼女は、天然だから出来るのであろう。

「ごめんね、これからは気を付ける。さ、まだお昼食べてないし早く食べよう?」

「そうだねぇ」

一瞬、目を見開いた桜だけれど、いつもの笑顔にすぐ戻った。けど、気のせいかな?桜の表情がいつもより頬を緩ませているような気がする。それでも、あたしに何も聞かないのは桜の優しさなのだろう。


教室に戻れば、葵と時空はもういつもの定置についていて。

「ほら。さっさと食べるぞ」偉そうに葵は言うが、口の中に食べ物が入っているのが丸見えだ。

「もう…葵…食べてる…」時空が指摘する。

「うっせぇ!つまみ食いしただけだ」
開き直るのは いつものこと。

「はいはい。じゃあ、私達も食べよっかぁ」

「「「「いただきます」」」」

全部全部、いつものこと。…ただ、1つ違うことがあるといえば、


それは萌花が一歩踏み出し、“KING”の姫になったことだ。
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