(気まぐれっぽい)Queen
8月5日

俺は小学五年生になった。俺の場合は思春期が早かったようで、背もグンと高くなってお姉さんを超えてしまった。

超えてしまった日は、俺自身も辛かったのに、お姉さんにスネを蹴られハンべそをかいた。

「よし!司も大分、大人になったな。ちょっとやってもらうか…」

「…?お姉さん、どうした?」

「ん…あぁ、司にも働いて貰おうかな…って思ってな!」

俺の恩人の手伝いを出来るんだ と、嬉しかったなぁ。


「ここは…?」

連れてこられたのは賑わっているバーだった。なぜ、連れてきたのか分からなかった。…いや、分かりたくなかったのかもしれない。

「司にはココで、体を売って欲しいんだ」

いまいち、頭に入ってこなかった。
カラダを売る……?

「そんなことっ…「そんなこと?カラダを売るのが、そんなことだと思うか?」

そう言うお姉さんの瞳は、とても真剣なものだった。
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