(気まぐれっぽい)Queen

っと。こんなことをしているうちに、時間は段々と迫(セマ)ってくる。


仕方ないから、朝食を抜きにして、支度をする。


忘れ物がないか確認し、ドタバタと家を出る。靴は走りやすいようにスニーカーにし、全力疾走する。


通りゆく人たちが、変な目で見たり、和やかな目で見てきたりした。


少し気になったけど、葵くんを怒らすほうがよっぽど怖い。葵くん、時間とかには厳しいからね。


でもやっぱり、その視線に耐えられなくて、スピードを上げた。




「あらあら。あの子、急いでるわねぇ…。デートの遅刻かしら、若いわねぇ」


私は、おばあちゃんが私の走る姿を見て呟いていたのを知る由もなかった。






葵くん家は、分かりやすい。だって、外装は洋風で綺麗だし、お庭もある。お庭は葵くんのお母さんがやっているらしい。そのため、葵くん家は、他の家よりも立派で、綺麗なのだ。


「あった…」


表札に『千畑』と書いてある。


玄関のところにあるチャイムを押す。するとすぐ、「はーい」と高くて可愛い声が聞こえる。


「萌花です。葵くんとお勉強会をしに…「萌花ちゃん、いらっしゃい。葵なら、部屋にいるからすぐ呼ぶわぁ」…ぇ、あ、はい」


やっぱり、葵くんのお母さんと葵くんはそっくりだなぁ。



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