ひまわりの約束ー君だけを、ずっと。[完]
「夏樹が気づいてるなら、陸斗くん本人もあたしの気持ちに気づいてるかなぁ?」
「どうだろーなー。永瀬もそこまで鈍いタイプじゃないとは思うけどな」
制服のスカートの裾を両手でぎゅっと強く掴んで、あたしは視線を落とした。
「今度は、頑張りたいんだ。あたし」
「今度はって?どういう……」
夏樹のほうを向いて、あたしはニコッと笑う。
「初恋以来なの。こんなふうにドキドキしたり、胸がぎゅって苦しくて切なくなるのは……」
「へぇ~。初恋以来ねぇ」
「うん……」
気づいたら、陸斗くんのこと。
好きになってた。
「なぁ……彩葉の初恋って、いつ?」
「9歳のとき。その年、県内にひまわり畑ができたの覚えてる?」
「あー、うん。俺も何度か行ったことあるよ」
「え……?」
思いがけない言葉が夏樹から返ってきた。