あの日の雪を溶かすように
「大丈夫かっ!?オイっ!」

… …
返事が、ない。

「救急車…救急車…!」

シュウがケイタイを取り出したのと同じくらいに、アリスは目を覚ました。

「あぁ…何だっけ…?」

「アリスッ!!良かった!…ココ、どこかわかるか!?」

「…私の家…?ん?…違…ぁ、道…?」

「ぉお…
だ、大丈夫かよ?お前…病院行った方がいいんじゃねぇ?マジで。」
「…貧血だ。ただの貧血の、メマイだ。眩暈。…じゃ、帰る。」
「ムリムリっ!交差点とかで倒れたらシャレになんねぇって!…つってもバイクのニケツもやベェよな…
よしっ!俺が付いてってやるよ。家まで。そうすりゃ、安全だろ?」

「いや、いい」
今度は真顔で断った。

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