あの日の雪を溶かすように
まだ飲みきれていない水を冷蔵庫に戻すのとほぼ同時に、アリスの家の呼び出し音が鳴った。
時刻は、深夜の1時過ぎ。

こんな時間に、誰だろうか?
葵?

ドアをゆっくりと開ける。的中した。
立っていたのは、予想通り葵だった。

「うーす先輩!元気すかー?」

「……」

バタンッ

アリスはすぐにドアを閉めた。

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