マシュマロな彼




雪っ助けて………



梅田先生に上を向かされた顔を横に向ける。



だけど、さっきまで見えていたはずの雪の顔はどこにもなく



かわりにゆらゆらと揺れる白い布が目に入った。



それが、ベッドとベッドを仕切るカーテンだとわかるまでに数秒かかった。



いつの間に……っ。



「やわっ…む…ふーっ」



先生の手が口を覆っているせいで、上手く喋ることができない。




精一杯の力で掴まれていない手や足をバタバタさせる。



押し付けられた体は、抵抗するのと連動してベッドを揺らした。



「ふーっ、むっ」



私の抵抗なんて気にも留めていない先生は、私を見下ろすだけ。



助けてよ雪………。




その時、シャーっという空気を裂くような音と共に


私の顔を明るい光が照らした。






「ふひぃーっ」




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