マシュマロな彼




「それじゃ、行きますか」



足の力で、ブンッっと起き上がった雪は、そそくさとベッドから降りる。



その姿がなんだか子ザルに見えちゃって、少し笑みがこぼれた。



可愛い////



「ほら、なに笑ってんの?」


そう言いながら、自然に手を差し出す雪…。


いつもより、ずーっと大人みたい。




大人なゆきもいいけど、やっぱり雪は可愛いままでいいよ。


私は自然とゆきの手をとっていて……、廊下を手を繋いで歩いた。









私は、忘れていた。



あの事を………。



これから大変な事になるなんて、知るよしもなかったんだ。





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