太陽とお月様



(茉莉の笑顔が好きだ)

(好きだよ)

(笑っていて)



ぐるぐると回る
拓真からの言葉。

そしてお別れのキス。



きっとあれは.....


拓真は、もうしんどいって
もう死ぬかもしれないって

分かっていたんだよね。

それでも最後まで笑顔で
あたしを安心させてくれて
あたしに愛を伝えてくれて....っ




「うっ....うっ...」

「茉莉、泣いていいのよ。
一緒に泣こう」


「なつ...めっ..うっひっく...」






「うわあああぁぁぁぁん!!!!」


拓真っ拓真!拓真.....たく...ま....



ごめんねっありがとう...


ごめんなさい....ありがとう....っ



茉莉は泣いた。

大声で空に向かって叫びながら。




「たくまーー!!!!!
あたしっ...うっ..あたし、笑う!!!


うっ...ぐす...っあたし...っ

拓真が好きって言ってくれた...

あたしのままでいるからっ...!!!!


だからっだから...ふぇっ...

ずっと見守っていてっ.....ぐすっ...」



「茉莉....」



そして茉莉に固い決意が生まれる。



〝あたし、笑っているから。〟

〝拓真に嫌われないように。〟




茉莉は大好きだった拓真に
二度目の約束をした。












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