好きで、言えなくて。でも、好きで。
「ここって…」



棟郷について行って辿り着いた先は、賭狗膳と早乙女も捜査でお世話になっている情報分析室。



「今、Nシステムと監視カメラとで捜してる最中だ。」



「え?それって…」



職権乱用じゃ…。

しかし、管理官である棟郷に向かって、早乙女は言葉に出来なかった。


……………が、



「職権乱用じゃねぇか。いいのかよ?」


「(賭狗膳さんっ……!)」



賭狗膳が言ってしまった。



「………よくはない。」


「………そうかよ。仕事は?」


「終わらせた。今日は非番にした。」



「ならいい。」



「(何、この2人!?何があったの!!?)」



検索中の捜査員の後ろで、画面を見つめながら話す賭狗膳と棟郷。



刺々しい口調は変わらないが、何だか2人の雰囲気はこの間と違っていて。



賭狗膳と棟郷が、威叉奈のことで話したことを全く知らない早乙女にとって、この光景はとんでもなくあり得なくて。


内心動揺しまくっていた。
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