好きで、言えなくて。でも、好きで。
「威叉奈は……、まあ、大量の睡眠薬を盛られてたみたいでな、目覚ましたのさっきなんだよ。検査拒否りやがったけど、無理矢理押し込めた。」



意識を取り戻した威叉奈は、棟郷が心配で傍にいると言い張った。


しかし、監禁されていたこともあって検査は必要だった為、無理矢理受けさせたのだ。


その間、早乙女が棟郷についているという条件付きだったが。



「結果は?結果はどうだったんだ?」


「心配するな。問題ねぇよ。手の傷もそこまで深くなくて、痕も残らねぇって。」



「そうか………。」



検査と聞いて棟郷は体に力が入る。

しかし、問題ないと言われ、深呼吸と共に緊張してしまった体をベッドに預ける。



「秩浦椒鰲は?かなり暴れていたようだが。」


「あー…。早乙女の関節技でノックアウトだ。」



威叉奈のことが解決し、自分が気を失った後のことが気になったようだ。


元々の気質と椒鰲の暴れようで手加減出来なかったのか、早乙女はバッチリ関節技を決めた。



「気の毒だが、自業自得だな。」



棟郷の感想は、賭狗膳と同じだった。
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