赤いりんごの青い果実


『ご飯…た食べた方がいい、よ?』


「カップ麺食うから平気」



…カップ麺!?


『イ、インスタント!?だ、駄目…
か風邪なのに、そん…そんなもの…』


「でも俺料理出来ないし」



なんだろ
今日の朽木君は、なんだか

いつもと違うなぁ



『あ…わた私がつ、作ろうか…?』


「…わり、申し訳ないけど
そうしてくれると…助かる」


言いながら咳をする彼


『あ、辛いなら…ね、寝てて?
つく、作ったら持って行く…から』


「作るとこ見たい」


ぼーっとした赤い顔で
そんなことを言う朽木君



『だ、駄目。寝て…て!』

「えー…」


動こうとしない彼を
寝室と思われる部屋へ押しやる


ずりずりと部屋の前まで
座ったまま押されてたどり着く


「出来たら持ってきて」


『う、うん』


ようやく諦めたらしく
溜息を一つついてから
部屋の中へと入っていった

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