赤いりんごの青い果実








『…よし』


お皿も洗い終わって
どこに置けばいいかも分からないので、とりあえず拭いて重ねておく





キィ…


背後からドアの開ける音が聞こえた



「涼宮ー」


『な、なに?』



ちょ、立って歩いてる…
寝てなきゃダメなのに



手を拭いて慌てて駆けつける


『ど、どうした、の?』


「いや…全然涼宮来ないから
もう帰ったかと思って」


『ま、まだ時間かかりそう』


「…そう。じゃあ、話し相手に
なってほしいんだけど」


若干ろれつの回らない口調で
熱っぽい瞳が私を見下ろす


『い、いいけど、寝ながら…ね』


「じゃあこっち」


『っわ…』



腕を引っ張られ
部屋の中へ押し込まれる


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