赤いりんごの青い果実


午前授業というのもあり、明日に向けて皆一様に帰っていく。



「どこで勉強しましょうかねー」


『そ、そだね。ふぁ、ファミレスとか?』


「食べながらっていうのもいいわね!」


きゃいきゃいと仁摩さんと話していると、

横から涼宮、と呼ぶ声がした



『あ、く、朽木君』


「悪いが俺にも勉強教えてくれ!」


パン!と両手を合わせ、懇願する朽木君


「はぁー?あんた涼宮横取りしてんじゃないわよ」


「お前だけの涼宮じゃねーからいいだろ」


「何言ってんの、先に約束したのは私なんだから」


「先着1人なんて誰が決めたよ」


怒涛の言葉の言い合いが始まり、
2人になんていえばいいのか分からず固まってしまう



『え、え…』


この場をおさえなきゃとは思うものの、
なんていえばいいのか…


正解が見当たらない


ああ、私のコミュ力の低さがここで露骨に出てしまうのがいやだ!


< 186 / 200 >

この作品をシェア

pagetop