浦和生まれと柏生まれの恋
第2章告白
「梨沙」

「はい」

俺は立ち止まり、梨沙を呼ぶ。

「梨沙、あのね…」

「あ、竜介、写真を撮るって言ってたよね!撮ろう!」

「梨沙!」

俺は梨沙の言葉を遮り、もう一度、梨沙を大きな声で呼んだ。

「え?」

梨沙はキョトンとしている。

ああ、言わなきゃ。

もう、ここで言わなきゃ一生言えずじまいになってしまう。

勇気を出して。

「梨沙、俺はさっき会った時から梨沙が好きなんだ!」

大きな声で、ハッキリと俺はそう言った。

「竜介…」

「俺は…俺は、東口からここへ出てくる梨沙を一目見たとき、一瞬で恋してしまったんだ。梨沙はどうかわからないけど、俺は梨沙しかいないと思った。梨沙は俺の運命の相手だって思ったんだ。本当に、本当なんだ。食事してる時だって、ずっと、ずっと梨沙を想ってた。梨沙のことが大好きなんだ!」

俺は必死に想いを告げた。

そして、知らぬ間に俺は涙を流していた。

少しの沈黙が続く。そしたら、

「竜介…私も、竜介のことが好きなの」

と梨沙が言った。

「私も、さっきここで初めて出会ったときから好きだった。何て言うのかなあ…一目惚れしちゃったんだ」

「…俺も、俺も梨沙に一目惚れしちゃった」

「そっか、そうだったのね」

「ということは、両想いになれたんだよね?」

信じられない気持ちでそう言うと、

「そうだよ!」

と梨沙が微笑みながら言った。

両想い。両想いになれたんだ!

「梨沙!」

俺は梨沙を抱き寄せた。梨沙をきつく抱き締める。もう人が見てようと関係なかった。

「好きだよ…」

「私も好きだよ…」

「梨沙、あのさ」

「ん?」

「キスしてもいいかな?」

俺はそっと聞いてみた。そしたら、梨沙は俺の腕の中で丸くなりながら、

「うん」

と甘い声で言った。俺の胸が高鳴る。

「顔、上げて?」

「うん」

梨沙がそっと顔を上げる。

そして、そっと目を閉じた。

俺はゆっくりと顔を近付け、目を閉じ、唇を重ねた。

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