振り返って、キス
出会い
ちょっと、喉かわいたな
…お母さんが戻ってくる前に、自動販売機で何か買うか
と思って歩きだしたのはいいものの……
「ねぇねぇ」
「え?」
「星野雫…ちゃん、だよね?」
「…え?」
なんだこのひと…たち。
ズボンはずり下がってるし、
ズボンや首や耳にじゃらじゃらとネックレスやピアスがたくさんついている
…これは、私がとても嫌な人類だ
「えーっと…」
名前を当てられ、なんといえばいいのか戸惑っていると
「ま、答えなくても顔で分かるんだけど」
「きゃ…!」
その瞬間、手首をつかまれ引っ張られた。
「ちょっ…離してっ」
「いいじゃん、俺らと遊ぼうよ」
ニヤニヤしながら私に顔を近づけてくる男。
「やめて…!」
裏の駐車場まで引きずられながらも、未だに抵抗し続ける
「おとなしくしてりゃ痛いことはしないからさぁ」
だから着いてこい、と目が言っている
これは…星野雫、最大のピンチです。