振り返って、キス
夕日でオレンジ色に染められた教室を2人で出る
山崎が鍵をしめてくれて
…これは、職員室まで着いていかなきゃだよね
と思い、てきとーに話をしながら靴箱まできた
Γ…あれ」
その声は、私のものでも山崎のものでもない
Γい、一条くん?」
靴をはいている、一条くんの声だった
何でお前がいんの、みたいな顔でこっちを見つめてくる
Γどしたの?」
そう言いながら一条くんが近づいてくる
Γえっ?えっと…仕事?」
Γ…もしかして、しおり?」
Γあ、あたり」
そんな様子をぼけーっと山崎は眺めているだけ。
Γあ」
一条くんはそんな山崎に気づいたのか、声をあげた
Γ一条」
Γ山崎もか?」
Γ実はね」
仲良さげに話す2人。
Γまじかよ。俺も、しおり」
あはは、と笑う一条くんは、夕日に照らされて………
ごほんっ。
Γお疲れだね」
山崎はそう言いながら靴を取り出した
私も靴を履き替える