ルームシェア。
【3】嘘はついてない。

待て俺。落ち着け俺。

だいぶ意味がわからないが、とりあえずここまでのことをまとめるんだ。

昨日、姫島に偶然会う。

それで会話も中々弾んで、一緒に帰る。

途中で俺が不動産屋を見る。

それを見た姫島がいい部屋があると言う。

俺もその話に乗って今日、会う。

姫島の家に上がって、昼を食わせてもらう。

ここから紹介した部屋が近いから案内してもらう。

荷物を持って、いざ向かおうとしたら姫島が自分の家の一室の扉を開けてこう言った。


「はい!ここがさっき紹介したところだよ!!」


ここまでの出来事をまとめた俺はまた考える。

ここは姫島の家だ。

こいつはもしかしてボケてるのか?

昨日から少し思ってたが、まさかそれ以上のアホだとは。


「おい、姫島。そんな冗談は後でいいから早くさっきのところに案内しろよ」


姫島はキョトンとした顔をしたが、あははとすぐに笑う。


「何言ってるの黒崎くん!案内してるじゃん!ここだよ!ここ!」


その言葉で俺はやっと姫島が冗談でもなく、ボケてるでもなく本気で言ってるのだと理解する。

いや、え?いやいやいやいや…。

< 19 / 26 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop