ルームシェア。


「んで、そのいい部屋ってのはどんなとこなんだよ」

「ん?えっとねー。まずは…。とりあえず、家賃がすごく安くて…」

「おう。それは助かるな」

「キッチンもちゃんとあるし、寝室もあって、トイレとお風呂はちゃんと別だよ!」

「それで家賃安いってすげーな」

「スーパーとかコンビニも近いし」

「便利だな」

「何と言っても!駅から家まで歩いて7分くらい!」

「めちゃめちゃいいところじゃねーかよ!!」


俺は、数々の不動産屋を見て回ったがそんな良物件なんて見たこともない。

どこにそんなのあったんだよ。


「まぁ、とりあえずそこを見たいな。今から案内とかって頼めるか?」

「大丈夫だよ!ここからすぐそこだし」

「じゃあ、頼むわ」

「オッケー!じゃあ、行こうか!」


姫島はすくっと立ち上がり、リビングを出て行こうとする。

俺も荷物を持って、姫島について行く。

しかし、俺は知らなかった。

10歩、いやもしかしたらそれ以上かもしれないしそれ以下かもしれない。

でも、この10歩先に事件は起きた。

姫島が急に立ち止まって言う。


「はい!ここがさっき紹介したところだよ!!」


そう言いながら扉を開ける。

その案内された部屋は、姫島の家の一室だった。



*10歩先に事件。

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