深愛なる君へ、この愛を捧げます。




「…タンス(あの)上から落ちてきたの?」




ゆっくりとタンスに掴まりながら立ち上がり、タンスの上を爪先立ちで見る。




タンスの上は埃だらけで、お義父さんが掃除していなかったとすぐに分かった。
お義父さんは男性にしては身長が私と同じくらいで低いからな、無理もないか。




お義母さんの方が大きいし。




私はタンスの上をハンディモップで綺麗にし、床に落ちた紙を拾った。




紙にも結構な量の埃が付着していたため、窓から埃を払う。




四つ折りになった紙を開こうとすると、遠くから駆けてくる足音が聞えた。
足音は次第に大きくなって、こっちに近付いてくる。




バンッ!!




換気のために開いていた戸に思いっきり手をつけ、息を切らしながらやってきたのはお義父さんだった。




「お義父さん、今度は厨房で何やらかしたんですか?」




きっとまたやらかしてお義母さんに夕飯抜きにされたのだろうと思い眉をハの字にして笑うが、お義父さんは思いっきり首を横に振った。




「…理人が…!理人が…」




お義父さんの言葉が信じられなかったが、私は持っていた紙をポケットにしまい、気付けばお義父さんの後を全速力で走っていた。



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