深愛なる君へ、この愛を捧げます。




家に着き、日海とお風呂に入り、日海がトイレに行っている間に空になったタッパーを洗う。




キュッ
ガチャ




タッパーを洗い終わり、水道の蛇口を捻ると同時にトイレのドアが開く音がした。
トイレの方を向くと、眠そうに目を擦る日海が出てきた。





「…一人でおしっこ出来た?」


「…んー…」


「そっか。偉い偉い」




日海はこの時間になると、いつもこんな感じのいかにも眠そうな返事をする。
そして私の前に来て両手を広げると、『もう寝る』の合図。




私は日海を抱き上げて電気を消し、一緒の寝室に向かった。




日海と一緒の布団に入り、日海の体を優しくトントンと叩く。




日海はさっきの眠そうな目はしてなくて、パッチリと目を開けて私を見ている。




「…日海?どうしたの?」




微笑んで日海に聞くと、日海は数回の瞬きをして口を開く。




「…ママ。パパはいつになったら長いゆめから起きて、にかを見てくれるの?」




すぐに言える言葉が見つからなかった。
理人がいつ目を覚ますのかなんて私にも分からない。




でもそのまま『ママにも分からない』なんて言ってしまったら、日海を余計不安にさせてしまう。




「ひなちゃんのね、パパがね、大きくなったらもうだっこできないっていってたの。
だからね、にかが大きくなっちゃうまえに、パパにだっことたかいたかいしてもらうの
…あれ、ママ?」




日海の手が私の顔に向かって伸びてきた。
そして私の鼻に触れる。




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