あのね、先生。-番外編-
「まあ、心配しなくても吉野先生は上手くやると思うし」
蓮くんが指差す先には、既に待ってるみんなの中に中村さんと吉野先生が話してる姿があった。
「ほんとだね、よかった」
吉野先生が話しかけて、中村さんが返事をして、たまに笑って。
ほんとだ。
蓮くんが言う通り、きっとこの2人は合わないわけじゃない。
中村さん次第で動く感じだね。
「お、来た来た」
「ごめんね、お待たせ」
あたしたち2人を待っていたらしい。
全員が集まって外に出ると、予想以上に暑くて。チラリと横を見ると加地くんがゲンナリした顔で立っていた。
「加地くん、しっかり」
「すげー、真夏日だな」
「そりゃ、8月だからね」
加地くんはこんなにゲンナリしてるのに、前を歩くシロはめちゃくちゃ元気。
同い年でこの差は何。