あのね、先生。-番外編-
「好きだったの、ずっと」
見上げたままふにゃふにゃ笑うから、すごく可愛いなって思う。
こういう笑い方ってこと?
俺こんなに可愛く笑ってんの?
なんて考えると何だかおかしくて、思わず笑みがこぼれた。
「俺も茉央ちゃんの笑い方好きだよ」
中村先生が似てきたって言うなら、俺が知らないときの茉央ちゃんはもっと違った笑い方をしてたのかもしれない。
「嬉しい?似てきたって言われて」
「うん、すごく」
口元に笑みを浮かべるけど、もう目は閉じてしまった。
このまま寝ちゃいそうだな。
なんて思ってると、絡んでいた指が外れて、手首を引っ張られた。
「何?」
「蓮くんも一緒に寝ようよ」
「んふふ、もう行かないの?」
「1時間だけ、寝る」
きっと一度寝たらもう起きれないだろうな、なんて思いながら茉央ちゃんの隣に寝転んだ。