あのね、先生。-番外編-

白城が見せたのは多分、蓮くんと一緒にドレスを選びに行った時の写真だろう。

白城と高橋が見たいと言って、半ば強引に咲良に送ってもらったものらしい。本番はまた別のドレスらしいけど。

「え、結婚?」

高野は白城じゃなくて俺を見ながらそう言う。

俺に聞くなよ。


「加地くん本格的に失恋したんだね…」

「お前その顔やめろよな」

「え、どの顔」

「思いっきり可哀想って顔してんじゃねーよ」

それも何か腹立つような。

分かってる。こいつがどうしてここに来たかっていうと、こうしておちょくってやろうと思ってからだ。


「あはは、何言ってんの。ここで本気で心配されたら反応に困るくせにー」

こいつがむかつくのは、何となく俺のことを分かっているような気がするからだ。

ガサツな干物女のくせに、どうして察する。

「高野さんって加地のことちゃんと見てんだね」

「やめろ白城、調子に乗る」

「だって仲良しだもんねー」


誰が仲良しだ。

確かに、会社でお前意外に仲良い女いないけど。

何なら男よりも色々話してるかもしれねーけど。
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