あのね、先生。-番外編-
「好きだったんだね」
「…うるせ」
「何か安心したよ、加地くんにもそういう感情があるって分かって。たまに目死んでるときあるからさー」
死んでねーわ。
隣に強引に座ってる女の肩を殴れば、案の定いたっ!なんて言って俺を睨み付けてくる。
「ふざけんなよ、死んでねーし」
「無自覚なの?女子社員はそれもカッコいいって騒いでるけど、あたしから見たらただただ目死んでるだけなんだよね」
前にこいつの家に飲みに行ったとき、見た目と家の雰囲気の違いに驚いたのをよく覚えている。
酒がこれでもかってくらいストックしてあって、正直オッサンの家かと思った。
「どんな子なの?」
「お前ほんとにうるせー」
「見せてあげようか」
「白城」
「いいじゃん、減るもんじゃねーし」
白城は自分の携帯の画面を見ながらそう言う。
もう探してんじゃねーか。
「お、あった。この子」
「どれどれ………ええ、予想を遥かに上回ってる!可愛いね!でも何でウェディングドレスなの?」
「もうすぐ結婚すんの、この子」