あのね、先生。-番外編-

「関係ないんだよ、歳なんて」

年相応に見えないんだから。

それに、あなたは彼女たちを惹きつけるものを持ってるでしょ?

「あたしだって蓮くんに惹かれた1人なんだから。きっと好きになったら歳が離れてるとか気にしないよ、今の高校生は」

だからって、蓮くんが生徒に人気なのは悪いことじゃないし。

結局、こんなことで嫉妬してしまうあたしの心が狭いんだろうな。


「ガトーショコラ、食べよっか」

蓮くんが頷いたから、冷蔵庫に入ってたガトーショコラをお皿に出して持っていく。上手く出来てるかな。

「茉央ちゃん」

「ん?」

机に置いたガトーショコラに手をつける前に蓮くんは言った。


「もしも俺のこと好きって言ってくれる生徒がいたとしても、俺がそれに応えることはないから」

そっか、そうだった。

こんなモヤモヤした気持ちのまま終わらせるような人じゃなかったね。
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