俺様紳士の恋愛レッスン
理解出来なかった十夜の言葉が、全て一つの答えに繋がった。

十夜は自分を犠牲にしてまでも、優愛さんの幸せを願ったのだ。



「わ、私……」



目の前の黒が、歪んでいく。



「十夜に、酷いことを……」



叶わない恋をして何が悪いと言う十夜に、私は報われないからだと言った。

十夜の深すぎる愛情を、無駄なことだと否定してしまった。



「十夜のしてることは、間違いなんかじゃ……」



十夜の想いも知らず、浅はかに感情論をぶつけた自分に腹が立つ。

いよいよ溢れそうになる涙を感じて、私は更に深く、腕の中に潜り込んだ。



「それは違うよ」

「……え?」

「十夜は間違ってる。自己犠牲なんて、結局は自己満に過ぎないから」



遠山さんはきっぱりと言い切ると、確かな兄の顔を覗かせて、微笑んだ。

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