俺様紳士の恋愛レッスン
「ど、どーぞっ」



メインであるゴーヤを一切れ摘み、口へと運んだ。

十夜は私をじっと見下ろしながら、もぐもぐと口を動かす。



「……どう?」



長い間に耐え切れず問うと、十夜はようやくごくんと飲み込む。

そして次の瞬間、私の唇にチュ、と軽いキスを落とした。



「苦い」



そう言って、ニヤリと笑う十夜。



「ちょっ、イキナリ何……ッ!」

「さっきの仕返しだ」

「――ッ!」



「ザマーミロ」と、してやったり顔を返された私は、真っ赤な頬を見られまいと、ぐるんと勢いよく踵を返し、ダイニングテーブルへと引き返す。


折角負かしたかと思ったのに、結局はこうして倍にして返されてしまうのだ。

十夜を完璧に攻略するには、まだまだ鍛錬が必要らしい。

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