俺様紳士の恋愛レッスン
「……ッ!」



またしても、本能が暴走した瞬間だった。

考えるよりも先に、木目調の重い扉に手を掛けていた。



「すみません!!」



思いの外、大きくなってしまった声。

後を追うようにカランと鳴った、ドアベルの音。



「……あ、の」



言うまでもなく、静まり返る室内。

例えるまでもなく、固まった空気。



「こっ、こんばんはぁ?」



今更冷静が降りてきても、時既に遅し。

テヘッと首を傾げてみるものの、二人の見開かれた目と、その視線が……痛い。



「……こんばんは」



張り詰めた空気を割ってくれたのは、か細く小さく呟かれた、女性の声だった。

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