俺様紳士の恋愛レッスン
「座って待ってて下さい!」と、私の返事も待たずに店の奥へと走って行った女性は、「お待たせしました!」と息を切らして戻ってくる。

その手には、顔よりも大きな茶色の救急箱が抱えられていた。



「失礼します」



女性は上体を屈め、私のおデコにそっと手を伸ばした。

ちょんちょんと当てられるコットンが、くすぐったくて恥ずかしい。


十夜にデコピンされたり、ドアにぶつかったり、今日はとんだデコ災難日だ。



「本当にすみません。痛くないですか?」

「あ、大丈夫です……」



顔は動かさずに目線だけを持ち上げると、特別に白く、透き通るように美しい肌が目に映る。


しかし間近で見れば見るほどに、可愛らしい女性だ。

大きな目は優しく垂れて、控えめなピンク色の唇が何とも愛らしい。

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