俺様紳士の恋愛レッスン
柔らかく細められた優愛さんの目に、長い睫毛が伏せられる。

それを見た私の心臓は、何故かきゅっと痛んで。



「優愛さんと十夜は、どんな関係なんですか?」



思わず踏み込んでしまった。

十夜が一番踏み込んで欲しくないであろう、『プライベート』の領域へ。



「……十夜くんとは、大学の同級生で」



優愛さんは温かな思い出を懐かしむように、微笑みながら、ぽつりぽつりと話してくれた。



「最初は睨まれてばかりで、すごく怖かったんですけど、自然と仲良くなっていきました。
当時、私は叶わない恋をしていて、そのことで悩んでいた私に、十夜くんはすごく優しくしてくれて。それで、えっと……」



言葉を詰まらせた優愛さんは、チラリと私の表情を窺う。

さすがの私でも、その意図くらいは容易に想像出来たので。



「十夜は、優愛さんのことが好きだったんですね?」



そう問うと、優愛さんは眉尻を下げて、「はい」とか細く答えた。

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